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裂孔原性網膜剥離

■はじめに
網膜は眼球の後方の壁の最も内側に張り付いた薄い膜状の神経組織を指します。これが本来の位置から剥がれてしまった状態を網膜剥離と呼び、発生する機序から(1)裂孔原性網膜剥離、(2)滲出性網膜剥離(コーツ病など)、(3)牽引性網膜剥離(未熟児網膜症など)に分類できます。本稿では(1)の裂孔原性網膜剥離について解説します。
■原因
小児にみられる裂孔原性網膜剥離の原因には外傷(ボール等が当たった)、アトピー性皮膚炎に伴うもの、先天素因(家族性滲出性硝子体網膜症、スティックラー症候群など)、網膜格子状変性(周辺部網膜の一部が薄くなった状態)内の円孔に基づくものなどがあります。
■症状
剥離した網膜の機能が低下し、その部分に相当する視野が障害されます。例えば、上半分の網膜が剥離すると上方網膜が司る下方の見え方が悪化します。網膜剥離が中心部(黄斑部)に及ぶと視力(真ん中の見え方)が低下します。網膜剥離の前段階として網膜に穴が開くと、飛蚊症を自覚する場合があります。しかし、飛蚊症を自覚される方が全員網膜剥離になっているわけではなく、網膜剥離になっている方はごく一部です。
■診断
眼科専門医を受診し、眼底検査を受けていただくことで診断は可能です。もし、眼内に出血、白内障(水晶体の混濁)があると眼底が見えないことがありますが、その場合には超音波Bモード検査が参考になります。検査に協力してもらえる年齢の児なら成人と同様の検査法が可能ですが、低年齢児ではベッド上で身体を拘束して検査を行う、あるいは催眠鎮静剤等を用いて睡眠下で検査を行う必要があります。精神発育遅延があるなどで前述の方法でも診察が難しい場合には麻酔科医師に相談の上、全身麻酔下で検査を行うこともあります。
■治療
小児の裂孔原性網膜剥離では強膜バックリング法と呼ばれる主に眼外の操作のみで行われる治療法で対処するのが原則です。しかし、網膜剥離の状態によっては強膜バックリング法だけでは対処困難なことがあり、そのような方には硝子体手術が適応となります。

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