小児眼科を専門とする医師

全国において、小児眼科診療を専門に行っている医師の一覧が、掲載されています。

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スティックラー(Stickler)症候群

■はじめに
皮膚や骨、筋肉、内臓などの各器官を結びつけ、また、支持している結合組織に先天異常を認める疾患群です。結合組織を構成している物質の一つにコラーゲンというタンパク質がありますが、このコラーゲンの形成に関係する遺伝子の異常が原因です(原因遺伝子はCOL2A1、COL11A1)。常染色体優性遺伝のため両親のいずれかが有病者の場合、その子どもは5割の頻度でStickler症候群を発症することになります。ただし、遺伝子の突然変異により家族歴がなく発症する例もあります。
■症状
主に関節の軟骨組織および眼の中にある硝子体が障害されます。他の症状も含めスティックラー症候群に共通してみられるものを以下に示します。なお、症状の有無や発症時期は患者さんにより様々です。コラーゲン異常のタイプにより症状の出方が異なるためです。
・ 特徴的な顔貌:顎が前後に小さく下顎が後退している。突出した眼。小さい鼻など。
・ 呼吸および摂食の障害:顎が小さい場合に舌の発達不良や動きの制限を伴うことが多いためです。口蓋裂や歯列の発達異常を合併する場合もあります。
・ 骨や関節の異常:成長期に背骨が曲がる(脊柱側弯症)。関節の過伸展。若年性の関節炎。指が長く節が太い。
・ 眼の障害:強度の近視。若年性に白内障を発症する。網脈絡膜委縮が強く網膜剥離を伴いやすい。緑内障の合併もあります。
・ 耳の障害:中耳炎などの感染症が多く聴覚障害の進行がみられます。
■診断・検査
出生直後から呼吸や哺乳の障害を伴う場合は、その原因精査の過程でスティックラー症候群と診断されます。
一方、幼小児期に発見される場合は主に歩行や姿勢の異常、視力不良を契機に診断される例が多くなります。眼の所見としては眼底検査にて硝子体の変性、液化と凝縮した硝子体由来の索状組織を認めます(empty vitreous)。また、網脈絡膜の高度委縮と網膜の周辺部や血管に沿って色素の沈着がみられます。網膜電図(項目21参照)の波形は概ね減弱します。
■治療・管理
新生児期に気管開口術が必要な場合があります。通常は成長に伴い気道が確保される様になるため、気管カニューレによる呼吸管理は一定期間に限られます。乳幼児期以降は症状に応じて、口蓋裂の修復術、下顎の延長術、言語療法。中耳炎の予防措置として鼓膜チューブの留置。股関節や膝関節などの障害に対しては整形外科でのケアや補装具の使用など生活指導がそれぞれ必要になります。
眼科的には強度近視による弱視予防を目的に定期的な視力や屈折値の検査ならびに眼鏡などによる矯正が必要です。また、白内障や網膜剥離などに対しては手術が行われます。

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