小児眼科を専門とする医師

全国において、小児眼科診療を専門に行っている医師の一覧が、掲載されています。

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眼窩腫瘍

■はじめに
海賊旗のドクロの絵では眼の部分が先細りの坑になっていますが、この部分を眼窩と呼びます。眼窩の窩とは「あな」や「うろ」を指します。眼窩には眼球を動かす外眼筋や、眼球から脳に信号を送る視神経や他の神経、血管、涙を作る涙腺や脂肪組織が詰まっていて、外界とつながる部分近くに眼球が収まり、さらに眼瞼(まぶた)が蓋をした構造になっています。この眼窩にできた腫瘍を眼窩腫瘍といいます。眼窩腫瘍と一言でいいますが、これは子宮筋腫や胃ガンのような単一のものではなく、良性から悪性まで様々腫瘍を含みます。
性質は違っても「眼球突出」という症状で見つかることがほとんどなのですが、それ以外の症状や視力や生命の危険度、診断、治療はそれぞれの腫瘍で大きく違います。
■小児眼窩腫瘍の頻度と種類
成人の悪性腫瘍の多くは固まりをつくる固形腫瘍ですが、子供の悪性腫瘍では血液のガンと呼ばれる白血病が半数以上を占めています。したがって眼窩腫瘍も成人に多く見られ小児は1 割以下とされています。
眼窩腫瘍のなかで生命にも危険を及ぼす悪性腫瘍には、外眼筋から発生する横紋筋肉腫、組織球という細胞が腫瘍になった組織球症X、白血病の一部で眼窩に固形腫瘍を作る緑色腫、リンパ腫などが知られています。また生命には危険はないが、視力や眼球の運動に悪影響を及ぼす良性腫瘍には視神経から発生する視神経膠腫、全身に多発する神経線維腫、血管腫、リンパ管腫その他があります。
■症状
眼球が前方に突出してくる眼球突出は眼窩腫瘍のほぼすべてに見られる症状です。ただし眼球突出は頭蓋骨の形成異常など腫瘍以外の病気でも見られます。軽症だと突出がはっきりせず、眼を見開いたように見える場合もあります。眼球突出が重症になると眼瞼が閉じにくくなるために、眼球の表面が乾燥し結膜(しろめ)充血や角膜(くろめ)の白濁が生じて、眼痛や視力の障害を生じます。これを兎眼呼びます。その他の症状として視神経が圧迫されるための視力障害や視野障害、眼球の運動障害や斜視などが見られることがあります。
■診断
小児眼窩腫瘍の診断の目標は腫瘍が何であるのかを確定することです。そのためにはまず年齢、経過や症状の情報と視力や採血などの検査が必要です。眼球突出が数カ月の短期間で進行していれば悪性である可能性を考えなければなりませんし、眼球突出が軽度なのに視力障害が強いと視神経膠腫を疑います。また白血病性緑色腫やリンパ腫の一部には血液検査が役に立ちます。これらの臨床所見に加えて重要なのはX線CTやMRI、超音波検査などの画像診断です。画像診断により腫瘍の有無、位置、大きさ、形状を判定でき、腫瘍の性質もかなりの程度診断できます。それでも腫瘍が何であるのか判定できない例もあります。そのようなときには、皮膚や結膜を切開して腫瘍の一部を切り取る生検を行ったり、しばらく様子を見ることもあります。
■治療
小児眼窩腫瘍の治療法は成人の腫瘍と同様で、手術による外科的切除療法と放射線療法、化学療法があります。腫瘍の種類、位置や周囲組織との関係などに基づいて、これらの治療法を単独または組み合わせて行います。小児眼窩腫瘍のなかには放射線療法と化学療法だけで治癒するものもあります。治療法や成功率は腫瘍の種類により違います。

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