小児眼科を専門とする医師

全国において、小児眼科診療を専門に行っている医師の一覧が、掲載されています。

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視神経炎

■はじめに
視神経炎は視神経に炎症を起こし腫れが生じる疾患です。眼底検査で容易に発見される視神経乳頭炎と眼球の裏が腫れてくる球後視神経炎に分かれます。発症しやすい年齢は9~10歳とされますが2歳前後でも発症します。半数以上が両眼性に発症し、約70%が乳頭炎の所見を示します。麻疹、水痘、インフルエンザ、感冒などのウイルス感染やワクチン接種後数日から数週して発症することが多くADEM(急性散在性脳脊髄炎)や髄膜炎に伴って視神経炎を発症しやすいとされます。
繰り返し視神経炎を発症するものには多発性硬化症という脳や視神経の炎症を繰り返し引き起こす難病になる危険性が高くなります。また今では別の疾患と考えられている両側の球後視神経炎発症の後に横断性脊髄炎をきたすDevic's optic neuromyelitisがしられています。他に、副鼻腔や眼窩の炎症、薬物、中毒、外傷なども球後視神経炎の原因となることがあります。
■注意すべき症状
成人と同様に急激な視力低下や中心暗点(視野の真ん中が欠ける)を主とする視野障害、眼球運動時痛(目を動かすと痛くなる)が主な症状です。対光反応(光を浴びせると瞳孔が縮まる状態)が著しく鈍くなりRAPD 陽性です。眼科を受診すると視力に加え、中心フリッカー値(CFF)の低下を認めます。これは視神経の伝導速度が低下している証拠です。したがって、VEP も潜時が延長します。眼底検査では乳頭炎と球後視神経炎に大別されます。小児では両眼性に視神経の入り口にあたる視神経乳頭が発赤・腫脹する乳頭炎を呈することが多く、蛍光眼底造影では乳頭からの蛍光色素の漏出を認めますが、出血を伴う場合鬱血乳頭と区別する必要があります。
一方、球後視神経炎は眼底検査では正常で、眼球の裏側で炎症が起こり視神経が障害されると視神経萎縮にいたります。
鑑別診断には、眼窩(眼を取り囲む骨がつくる窪み)の中の内にできる腫瘍や頭蓋内の腫瘍、ADEM といった緊急疾患を鑑別診断するために、視神経画像で炎症所見を検出するMRI 検査が必須です。
■治療と管理
成人の視神経炎ではステロイドパルス療法により機能回復までの期間は短くなりますが、視力回復は1-2週間で始まり、1-2 ヶ月で正常化します。最終的な視機能の回復程度は治療しない場合と比べて差は見られないとの報告があります。また、小児では同様の臨床試験は行われていません。一般的には自然寛解が多いので、小児視神経炎に対するはっきりとしたステロイド治療の有効性は示されていません。しかし、ステロイド反応性は良好であるという報告も多くあり一定の見解は得られていません。施行するならパルスなど早期離脱できる治療法が良い。一般に回復の程度は良好ですが、再び炎症が起こることもあり長期的な経過観察が必要と言えます。
■受診のタイミング
一般に視力回復は極めて良好です。幼小児や片眼性の場合は自覚や訴えに乏しく発見が遅れることが多いので、周囲の大人が気がついてあげる必要があります。瞳が大きく開いていたり、日常生活で転倒衝突や、見えにくそうにしていて、視力視野障害が疑われる場合は、早めに眼科を受診させましょう。

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