小児眼科を専門とする医師

全国において、小児眼科診療を専門に行っている医師の一覧が、掲載されています。

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ぶどう膜炎

■はじめに
ぶどう膜とは眼の中の虹彩・毛様体・脈絡膜の3 つからなり、これらは解剖して観察すると熟れた「ぶどう」のような色にみえたためといわれています。日本人のほとんどの方の虹彩は眼の表面からみると、茶色から茶褐色で、この奥に水晶体と眼球後方に網膜と視神経があります。ぶどう膜炎とは、これらの眼の中の組織が、外からきた病気の原因によって、または自己の免疫機構が眼の成分の一部を非自己と認識したために、眼の中に炎症が起きてしまった状態です。
■特徴
子どものぶどう膜炎は全体の8%以下と発症する数自体は少ないのですが、いったん発病するとその合併症状が重く、特に子どものぶどう膜炎の約1/3は重たい視力障害を残して治癒するという報告もあります。同じぶどう膜炎でも、頻度の高い病気の種類が大人とは少し違います。また、子どもは大人と違って「見えにくい」と訴えることが少ないのでゆっくり進行するぶどう膜炎の発見が遅くなってしまうことや、子どもは視機能が発達する途中にあるというのも、子どもの方が重症な障害を残す結果になりやすい原因と考えられています。
■治療
治療には第一にステロイド点眼を用いますが、全身性疾患があったり、点眼だけでは効果がない場合は、ステロイドの内服や点滴治療をさらに行ないます。ステロイドはぶどう膜炎や自己免疫疾患には大変効果のある大切な薬ですが、点眼によってステロイド緑内障を発症したり、全身投与では成長阻害など重い副作用がでる場合もあります。最近ではゆっくりと進行していて、かつ感染が原因ではない場合や、ステロイドのみでは効果が不十分な場合などに、免疫抑制薬も子どものぶどう膜炎治療に使われるようになりました。
■代表的疾患
若年性特発性関節炎(juvenaile idiopathic arthritis : JIA)は虹彩を主体とした炎症のぶどう膜炎の頻度では最も高い疾患です。この病気自体の原因は今もわかっていなことが多いのですが、炎症のサインを送るサイトカインという物質が、発症や病気の増悪に関係していることがわかっています。全身型・多関節型・少関節型の3つの発症パターンと、さらに血液検査の自己抗体の結果から分類がわかれ、それぞれ予後が違っています。最も多いのは少関節型で約20%に発症するとされています。ステロイド点眼を行ない、ステロイド内服で関節炎が鎮めることができない場合に、免疫抑制薬を使用し、これらの治療がぶどう膜炎の治療にも効果があることがわかってきました。
■その他の疾患
感染症ではトキソプラズマ症(Toxoplasmosis)が代表的な疾患で、虹彩より後方にある網脈絡膜に主に炎症が起こります。そのほか、全身の川崎病に伴うぶどう膜炎、カンジダ感染による真菌性眼内炎など、たくさんの原因疾患があります。また鑑別すべき疾患として、網膜芽細胞腫という子どもの眼の悪性腫瘍も、ぶどう膜炎とよく似た症状で発症することがあります。白血病や悪性リンパ腫、若年性黄色肉芽腫でも同様です。
子どものぶどう膜炎には、注意深い診察と慎重な経過観察が必要となります。

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