さまざまな眼の病気

レーベル(Leber)先天黒内障

■はじめに
レーベル先天黒内障は、19世紀にレーベルが報告した先天性の視力障害です。黒内障とは、見た目には眼球には異常がないのに、眼がみえないことを表した、古い言葉です。遺伝子の異常によっておこる病気であると考えられており、現在までに複数の原因遺伝子が見つかっています。
■眼症状
ときに白内障や角膜の病気を合併していることもありますが、見た目の眼球の異常は明らかでないことがほとんどです。しかし、生後より重い視力障害を示し、視線が合わず、まぶしがったり、黒目が振り子のように動き続ける振子様眼振(ふりこようがんしん)がみられ、対光反射(光をうけたときに瞳孔が小さくなる反射)が弱い、または消失しています。また、眼を指で強く押したり、こすったり、枕や机に押し付けたりする行動を好む場合もあります。
■その他の症状
精神発達遅滞、てんかん、難聴など、複数の合併症を抱えていることもあれば、体の合併症がまったくないこともあります。
■診断
診断のためには、眼底検査が必要ですが、眼底にも目立った異常が見られないことがあります。確実な診断をするためには眼底(網膜)の生体電気を調べる、「網膜電図」という検査が必要になります。ただし、この検査を、小さいお子さんに行っている病院は限られていますので、まずはお近くの眼科医にご相談ください。
■治療と管理
決定的な治療法はみつかっていません。しかし、将来の治療につながる方法が少しずつ進歩していますので、きちんと診断を受けておくことが大切です。多くのお子さんで、視力は0.1 未満ですが、ときに強い屈折異常(遠視、近視、乱視)がみられる場合があります。屈折異常を矯正する眼鏡や遮光眼鏡をかけて、少しでも視力を伸ばすようにします。また眼を強く押す・こする・たたくなどの行為は、白内障や網膜剥離の原因になり、将来の治療の可能性を奪ってしまうことになるので、ゴーグルなどで防ぐようにします。

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