小児眼科を専門とする医師

全国において、小児眼科診療を専門に行っている医師の一覧が、掲載されています。

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第一次硝子体過形成遺残

■はじめに
第一次硝子体過形成遺残(PFV; persistent fetal vasculature またはPHPV; persistent hyperplastic primary vitreous)は、眼球の中のゼリーのような硝子体という組織と、そこに含まれる血管が発達の途中でうまく消えずに残ってしまう疾患です。70~90%は片眼だけに発症し、遺伝性はないといわれています。原因は不明です。眼科的、全身的な先天異常との合併例もあります。
■症状
瞳孔(ひとみの奥)が白い、眼球や黒目(角膜)が反対の眼より小さい、眼が揺れる、視線が合わないなどの症状で気づかれます。瞳孔が白く見えるのは眼の奥にある病変が白く反射して瞳孔を通したときに白く見えるものです。夜に瞳が開いていると目が光る"猫眼"とも呼ばれます。
■検査・診断
顕微鏡検査、眼の硬さ(眼圧)の検査、瞳を目薬で開いて行う眼底検査など眼科の一般的な検査を行います。さらに電気生理学的検査といって、眼球に光りをあてたときに発生するわずかな電気信号をひろって記録したり、超音波検査、CT・MRI検査などを行って診断します。
■分類
異常のおこっている部位によって前部型、後部型、混合型に分けられます。
・前部型:水晶体のすぐ後面に血管を含んだ組織を認め、白色瞳孔となります。小眼球、小角膜、斜視、白内障、緑内障や角膜混濁を伴うこともあります。
・後部型:周辺部に残存した線維組織によって網膜が引っ張られ、様々な形の網膜ひだや先天鎌状網膜剥離を生じます。網膜や視神経の形成に異常があるため視力予後は不良です。
・混合型:前部型と後部型の両方の所見を合併しています。
■鑑別診断
白色瞳孔や網膜ひだをつくる疾患、すなわち未熟児網膜症、家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR)、網膜芽細胞腫が鑑別に挙げられます。
このうち、未熟児網膜症は早期に生まれたり、生まれたときの体重が少ないことで容易に鑑別がつきます。
FEVRは特に後部型では鑑別に注意を要します。一般にFEVR は家族性、両眼性であることが多いのに対し、PFVでは家族性の症例は少なく、片眼性が多いことで鑑別されます。網膜芽細胞腫との鑑別のためにはCT検査が有用です。網膜芽細胞腫では眼内に石灰化を伴う腫瘤形成がみられることが特徴で鑑別のポイントとなります。
■治療・予後
前部型で網膜に異常がなく、水晶体後面の線維組織が視力に影響を及ぼす可能性があれば、先天白内障に準じて早期に手術を行って水晶体及び線維膜を摘出し、術後に弱視治療を行います。後部型では、網膜剥離が進行すれば硝子体手術を行うことがあります。しかし、一般に片眼だけの疾患なので、早期に手術を行っても、視機能の著しい向上は望めませんので、手術を行わないことも多いです。
手術の有無に関わらず乳幼児期から継続して定期的検査を行い、網膜剥離や白内障、緑内障、硝子体出血などの合併症に注意する必要があります。また顕著な小眼球例では、眼窩や顔面骨の成長に差が出ることがあるため、生後早期に視機能の有無を評価し、整容面に配慮した義眼装着を開始することもあります。

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