小児眼科を専門とする医師

全国において、小児眼科診療を専門に行っている医師の一覧が、掲載されています。

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先天鼻涙管閉塞

■はじめに
涙は一部は目の表面から蒸発しますが、ほとんどは目頭に開口した上下2本の細い管(涙小管)から吸収され、その後、涙嚢という袋状の部分から鼻涙管を下に向かって流れ、最後は鼻腔内に排出されます。生後まもない時期にはこの涙道が未発達のために流涙のみられる場合があります。通常、涙道機能の回復により自然に消退しますが、改善しない場合は先天性の鼻涙管閉塞を疑う必要があります。
■症状
一般に涙目といわれる下眼瞼に涙がたまった状態。流涙。起床時、目尻などに眼脂(実際は涙が乾燥して濃縮されたもの)が付着している。
■診断
目の内側、鼻の付け根あたりを圧迫すると目の中に涙が逆流してきます。粘液や黄色膿が混じっている場合もあります。これでおおよその診断は可能ですが、涙道の閉塞部位や涙嚢炎の確認も含め、診断の確定には涙道通水試験が必要です。涙嚢炎は涙嚢内に溜まった涙液に細菌などが感染して炎症を起こすもので、これが長引くと涙嚢周囲の皮膚や瞼が赤く腫れ上がった状態、涙嚢周囲炎や眼瞼および眼窩蜂窩織炎へと重症化する例もあります。
また、涙嚢内に貯留した涙液や膿により涙嚢が緊満し皮膚表面が膨隆または皮下に腫瘤として触知される場合があります(涙嚢瘤)。血管腫や皮様嚢胞といった先天異常と紛らわしいケースもありますが、これらは通常、流涙や眼脂を伴いません。また、涙嚢瘤では涙嚢洗浄などで貯留液が排出されるとその場で腫瘤は消失します。
先天性の涙道閉塞として涙小管開口部の閉鎖(涙点閉鎖)や涙小管欠損などの形成異常もあり、この様な例の多くで全身の先天異常を合併します。
生後早期に眼脂、流涙を伴う疾患としては新生児結膜炎も重要です。鼻涙管閉塞に症状は似ていますが、眼瞼の発赤、腫脹や結膜の充血、浮腫、膿性眼脂などがより顕著です。乳幼児期には逆まつげによる刺激症状としても流涙や眼脂がみられます。なお、眼脂や流涙は高い眼圧や眼の炎症など、より重篤な病態や疾患の徴候でもあります。治療に反応せず症状が改善しない場合、放っておかずに眼科を受診することが大切です。
■治療・管理
先天鼻涙管閉塞の大半は涙嚢マッサージのみで治癒します。目の内側、鼻の付け根あたりを人差し指で奥に圧迫する要領で10回程度マッサージを行います。これを日に3、4度行います。涙嚢炎を併発している場合にはマッサージ後に抗菌薬を点眼します。これで症状が改善しない場合は通水試験および涙嚢洗浄、涙道ブジー、涙道チューブ留置術など病状に合わせて段階的に処置が行われます。

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