遺伝相談

遺伝相談

Q1. 遺伝相談とはなんですか?
遺伝相談は、遺伝性疾患の患者さんやそのご家族、あるいは遺伝について不安や悩みを抱えている方々を対象とし、相談に応じようとするものです。専門家が遺伝に関する情報を提供し、遺伝子検査を受けるべきか否か、どのような遺伝的な影響があるかなどについて詳しく説明し、個々の相談に応じます。
Q2. どんな方が遺伝相談の対象となりますか?
遺伝や遺伝性疾患に関する悩みや不安を抱えている方や問題に直面されている方、またはそのご家族など、どなたでも対象になります。
眼科では、遺伝性網膜疾患や、網膜芽細胞腫、色覚異常、先天性の白内障や緑内障、強度近視、斜視などでお悩みの患者さん、またはそのご家族の方が遺伝相談にお越しになることが多いです。お子様が対象の場合、先ずはご家族の方と遺伝相談を行います。
Q3. 遺伝相談はどこで受けられますか?
かかりつけの医療機関がある方は、まずそちらで相談されると良いでしょう。その上で、専門の施設に紹介を希望される方は病診連携から予約を取ることができます。 相談する場所がない場合や、それが難しい時には、実際の遺伝相談を行っている施設を、全国遺伝子医療部門連絡会議のホームページにある「遺伝子医療実施施設検索システム」http://www.idenshiiryoubumon.org/search/から調べることができます。 このホームページに掲載されていない施設でも、遺伝子診療部門や遺伝外来などの名称で対応していることがあります。
Q4. 遺伝相談ではどんなことを相談できるのですか?
たとえば、
・私の子ども、あるいは私の血族がもっている病気は遺伝性でしょうか?
・遺伝性とはどういうことですか?
・将来、私あるいは血縁者に、どんな遺伝的問題がおこるのでしょうか?
・もしおこるとすると、その異常や病気はどれくらいの割合でおこるのでしょうか?
・血族結婚をすると、どんな遺伝的影響があるのでしょうか?
など、様々な遺伝についての不安に対して、専門家が相談にのってくれます。
Q5. どんな検査が受けられるのですか?
遺伝相談では、まず初めに問診でご本人に加え、血縁者の病気についても詳しく伺います。その上で、実施可能で適切な遺伝子検査があり、その検査を行うことに意味がある場合、ご本人や該当される血縁者の方に検査の内容、趣旨などをご説明し、検査について同意を頂いた方のみ遺伝子検査を受けることができます。遺伝相談を受けた方全員が遺伝子検査を受けるわけではありません。
Q6. 遺伝子検査はどんなことをするのですか?
遺伝子検査は、患者さんやそのご家族の方から血液などの検体をご提供頂き、その検体を使って遺伝子のかたちが他の人とどのように違うかを調べ、さらに患者さんの症状との関係を調べます。
Q7. 遺伝子検査ではどんなことがわかりますか?
遺伝子検査によって原因が特定できれば、病気の確定診断となります。病気によっては、まれに、現在発症していなくても、将来の発症の可能性が推定できる場合もあります。また、病気の原因が確定することで、病気の経過や予後、治療法、療養に関する情報を受けることができる場合があり、そうした場合は、患者さんとご家族の方が前向きな気持ちになれることもあります。もちろん、確定診断後も療育について継続的に相談を受けることができます。遺伝子検査を受けても、病気の原因が特定できない場合もあります。遺伝子検査を受けるにあたって留意すべき点については、Q9を参照してください。
Q8. 遺伝子検査の結果が得られた場合、治療法はあるのですか?
欧米では一部の遺伝性網膜疾患の原因が特定できた患者さんに対して遺伝子治療が行われています。現在のところ、日本ではこの治療は行われていませんが、日本でも遺伝子治療の研究が進められています。
Q9. 遺伝子検査を受ける際に留意すべきことはなんですか?
遺伝子検査の大部分は、一生のあいだ変化しない個人の遺伝子情報を検査するものです。遺伝子の情報は、究極の個人情報であり、血縁者とも情報の一部が共有されています。このため、ひとりの方の病気の遺伝子検査の結果により、血縁者からも同じ病気がみつかることもありますし、現在発症していなくても、将来の発症の可能性が推定できる場合もあります。そのため、遺伝子検査を受ける前には、必ず専門家から遺伝子検査について遺伝相談を受けて頂きます。もしわからないことがあれば、専門家に質問して頂き、患者さんとご家族の方が遺伝子検査について十分に理解した上で検査を受けることが大切です。

日本遺伝カウンセリング学会 ホームページhttp://www.jsgc.jp/faq.htmlより一部引用

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