お知らせ

会員の皆様へ
医療関係の皆様へ
一般の皆様へ

一般の皆様へ

三歳児健康診査における視覚検査について

日本小児眼科学会の提言

1.三歳児健康診査における視力検査は三歳六か月頃に行うのが効率的です。
2.一次検査として家庭で行う視力検査の精度を向上させるためには、保護者に対して
  家庭での検査が視覚異常の早期発見に大切な機会であることを啓発し、視力測定を
  マニュアル通り正しく行い、結果をアンケート用紙に丁寧に記入していただくことが
  重要です。家庭に送付する三歳児健康診査案内と視力検査法の説明文を、現行のもの
  からより分かりやすいものに見直す作業も必要と思います。一次検査ができない
  場合にも、必ず二次検査を受けるように啓発する必要があります。
3.三歳児健康診査において、視覚異常の検出精度を向上させるためには、市区町村が
  指定する会場で行う二次検査で問診、視力検査に加えて、オートレフラクトメータ
  あるいはフォトスクリーナー等を用いた屈折検査や、両眼視機能検査を併用する
  ことが望ましいです。
4.二次検査においては視能訓練士の参加が、検出精度のさらなる向上に寄与すると
  考えます。
5.二次検査で要精密検査の判定を受けた児では、その結果をフォローアップする体制が、
  きわめて重要です。

小児の弱視等における治療のための眼鏡・コンタクトレンズに関する療養費の支給について

小児に眼鏡およびコンタクトレンズを作る場合、弱視や斜視、先天白内障の手術後のような治療を目的とする場合に限って、その作成費用が健康保険の適用となります。
患者様の負担割合がありますが、それ以外の額が療養費として償還払い扱いの形で給付されます。

対象年齢は9歳未満で、上記の治療の目的に限られます。一般的な屈折異常、すなわち近視、遠視、乱視では、眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば良い視力が得られます。このような屈折異常を矯正する目的の眼鏡やコンタクトレンズは対象となりません。

また、治療目的であっても、アイパッチ、フレネル膜プリズムは対象となっていません。

申請に必要な書類は以下のとおりです。
 1.療養費支給申請書(加入している健康保険組合窓口等にあります)
 2.眼科医の眼鏡・コンタクトレンズの作成指示書(処方せん)の写しおよび検査結果
 3.購入した眼鏡・コンタクトレンズの領収書

詳しい手続きに関しては、眼科の主治医の先生にお聞きください。

子どもの眼の発達と年齢ごとの異常所見について

1)こどもの眼の発達
生まれたばかりの赤ちゃんは、明りがぼんやりわかる程度の視力しかありません。その後、お母さんの顔を見たり、おもちゃを見たりしながら、徐々に視力が発達します。その時期に、視線が合わなかったり、見るのを邪魔するようなものがあったりすると、視力は正常にそだちません。こどもの眼は8歳くらいで大人と同じくらい見えるようになりますが特に5歳くらいまでが最も重要な時期といえます。両眼視といって、両目でものを見て遠近感を正確に把握する能力がありますが、これは生後1年の間に発達します。
2)赤ちゃんの眼の異常について
赤ちゃんが生まれてすぐに気づく眼の異常には、①瞼があかない、②眼が揺れる、③眼の色がおかしい、などがあります。生まれて1週間たっても瞼がちゃんと開かないときは、先天性眼瞼下垂といって瞼の病気があるか小眼球といって極端に眼が小さい可能性があります。眼が揺れるのは眼振といって、眼や脳の異常があることを疑います。眼の色がおかしいというのは、黒目が白かったり、茶目が灰色だったりすることをさします。このような異常があると、産科や新生児科の先生が気づくことが多いのですが、家に帰ってからご家族が気づくこともあります。すぐに眼科医に相談してください。
赤ちゃんの涙の量が多くて、いつも眼がぬれていることがあります。先天性鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)といって涙を鼻へ流す管がつまっていることがあります。多くは自然に流れるようになりますが、目やにが増えるようなら眼科で治療します。
3)1歳までの赤ちゃんの異常について
生後3ヶ月までに、正常ならばじっとお母さんの顔をみつめたり、眼で物を追ったりするようになります。このころの赤ちゃんの視力は0.1くらいです。けれどまだどこを見ているかはっきりしないこともしばしばあります。6ヶ月くらいになると、視線はほぼ定まるようになってきます。
赤ちゃんの眼は内側の皮膚が白目にかかっていることもあり、眼が内側に寄りすぎている「内斜視」のようにみえることがあります。外側に向く「外斜視」がみられることもあります。多くの場合、これは自然に治ってきますが、なかには本当に斜視のこともあります。フラッシュをたいて撮影した写真のなかに、片方の眼だけ違う色に光っているようなら斜視の可能性があります。もし、いつも同じ眼が光って映るようだと「先天白内障」や「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」という悪性腫瘍のこともありますのですぐに眼科に相談してください。
4)1歳から3歳の子どもの眼と異常
このころの子どもは、眼に異常があっても、それを言葉にすることができません。眼がかゆい、痛いはもちろん、眼が見えているかどうかも言いません。特に片眼だけが見えていない状態では、普段の生活には支障がないので周りが気付いてやらないといけません。テレビやおもちゃを極端に近づいてみる、まぶしそうに眼を閉じる、眼を細めて物をみる、上目遣いや横目づかいなどおかしな目つきをする、ということがあれば眼科医に相談してください。この年齢でも眼科の検査は可能ですが、できれば小児に強い眼科医か視能訓練士のいる眼科を選ぶといいでしょう。
5)3歳以上の子どもの眼の異常について
3歳になると視力検査ができるようになってきます。そうなるとほぼ正確に視力がわかります。視力検査は物を見て、それを見えたと反応することができる必要があるので、実際に見えている視力よりも低くなります。3歳をすぎると正常ならほぼ1.0の視力がありますが、検査に慣れていないことも多いので、0.7くらいでも正常と判断します。強い遠視や乱視、近視などの屈折異常が視力の妨げになっていることがあり、放置すると正常な視力に届かないことがあります。健診で精密検査が必要と言われたら、必ず眼科を受診するようにしましょう。

近視について

<病気について>

■近視とは
 眼球は、カメラのような構造をしています。目に入ってきた光線が、角膜(黒目)や水晶体(レンズ)を通して、網膜(目の奥で光刺激を受け取る神経組織、カメラのフィルムに相当)で焦点を結び、その情報が視神経を通って脳へ伝わることにより、物体が認識されます。近視とは、眼軸長(眼球の前後方向の長さ)と角膜や水晶体の屈折力(光を集める力)のバランスが良くないために、遠方からきた光線が網膜の手前で焦点を結んでしまう状態です。近くの物体を見るときにはピントが合いますが、遠くの物体はピントが合わずぼやけて見えるようになります。近視が強い人は、物を近づけて見ることになります。
 近視の多くは学童期に眼軸長が過度に伸びることによる軸性近視で、眼鏡によって正常視力まで矯正可能な単純近視が多いですが、まれに病的近視に進行する例もあります。
 近視の程度は、屈折度の単位であるジオプトリー(D)を用いて、弱度近視は-3.00D以下、-3.00Dを超えて-6.00D以下は中等度近視、-6.00Dを超えると強度近視と分類されています。
■近視発生に関わる要因
 近視の発症には、遺伝的要因(生まれつきの素質)と環境要因の両方が関与すると考えられています。アジア人には近視が多く、両親とも近視でない子どもに比べて、片親が近視の場合は2倍、両親が近視の場合には約5倍の確率で子どもも近視になりやすいと言われています。近年では近視に関連する遺伝子の解析も行われています。環境要因としては、近業(近くを長時間見ること)や屋外活動が少ないことの関与が示されています。日本だけでなくアジアの国々や米国でも小・中学生の近視が増えており、スマートフォン、ゲーム機などの普及が関係しているのではないかと言われていますが、はっきりした関係は不明です。
■病的近視とは
 眼軸が長く、眼球の後方部分が変形して目の奥の網膜・脈絡膜(網膜を栄養する組織)や視神経に様々な病的変化を生じ、眼鏡などで近視を矯正しても正常な視力が出ない状態となるものを、病的近視と言います。病的近視の目安は、5歳以下では-4.00Dを超える、6~8歳では-6.00Dを超える、9歳以上では-8.00Dを超える近視とされていますが、眼球の変形により病的近視を定義しようとする試みが進んでいます。成人の高度視力障害の原因として日本では4番目に多い疾患であり、様々な予防や治療の研究が進められています。
■先天近視と眼疾患
 元来、乳幼児期には目は軽度の遠視であり、眼球の成長に応じて正視となり、学童期以降に近視が進行するのが一般的ですが、まれに幼少期からの強い近視(先天近視)がみられます。
 先天近視は様々な先天眼疾患や全身疾患に伴うことも多く、早期に発見して他に異常がないか十分な検査を行う必要があります。代表的な疾患としてステイックラー症候群、マルファン症候群、家族性滲出性硝子体網膜症、早発型緑内障、先天停止性夜盲、網膜有髄神経線維などが挙げられます。
 また、未熟児では、角膜や水晶体の発育不全によって近視になりやすいと言われています。

<検査と治療について>

■真の近視と見かけ上の近視
 真の近視ではなく、一過性に近視のように見える状態になることがあります。これは、水晶体の厚みを調節する毛様体筋が過度に緊張した状態で、水晶体が厚くなって網膜より前に焦点を結ぶので、偽(いわゆる仮性)近視とも呼ばれます。神経の病気、薬物、外斜視、長い時間近くの物を見続けた後などにみられます。
■検査
 毛様体筋の過緊張がある偽近視か、真の近視か、真の近視であれば程度はどの位かを詳しく調べるには、毛様体筋の働きを一時的に休止する目薬を使うなど、遠近の調節をなくして、屈折度を調べる必要があります。この目薬を入れると、しばらくの間(1~2日)はピントが合わなくなり、瞳が大きい状態が続くため眩しくなりますが、矯正する眼鏡の度数を決めるためにも大切な検査です。
■治療
近視には遺伝的要因と環境的要因の両方が関係しています。眼球の成長は16歳頃まで続き、近視の進行を止めることは困難です。黒板の字が見えにくくなったら、眼鏡で矯正する必要があります。眼科医で精密検査を受けて、適切な眼鏡の処方を受けることが勧められます。 コンタクトレンズは管理が難しいのと、管理を誤ると目の病気の原因になることから、中学生から高校生などある程度の年齢に達して自己管理ができるようになってから使うのが安全です。コンタクトレンズは、高度管理医療機器に指定されており、処方やコンタクトレンズによる目の障害を避けるために眼科での定期検査が大切です。
 近視の進行を抑える効果があると考えられているのは"明るい屋外で活動をすること"です。また読書など近くを見るときには正しい姿勢で30cm以上距離をとることが大切です。ゲーム機やパソコン、スマートフォンの長時間の使用が近視の進行に影響するかどうか、明確なエビデンス(証拠)はありません。しかし、近業(近くを見ること)が近視進行に関与している可能性を考慮すれば、過度に使用することは慎んだ方が良いでしょう。
 現在、近視の進行を抑える特殊な眼鏡やコンタクトレンズ、目薬の研究が進んできていますが近視予防治療としてお勧めできる方法は未だ確立されていません。まず日常生活に十分注意し、使用している眼鏡が合っているかどうか、半年に1回は眼科で定期検査を受けるとよいでしょう。
■定期的な検査の必要性
 学童期に近視が進行しても、ほとんどのお子さんは失明原因となる病的近視に至ることはありません。最近の研究では、病的近視にまで至る患者さんは、学童期に特別な眼底所見があることが分かっており、学童近視と病的近視は異なる疾患である可能性が示唆されています。しかし念のため、強い近視のあるお子さんは、専門の施設で定期的な眼底の検査を受けることをお勧めします。
 また、強度近視では、成人になると、視野(物の見える範囲)が狭くなって見にくくなる緑内障や、黄斑変性症(網膜の中心部が傷んで物がゆがんで見えたり視力が下がったりする)、網膜剥離などを起こして視力が極端に低下する危険が高まりますので、定期的な眼底の検査が必要になります。
■近視の進行予防の研究
 現在、近視の進行を抑えるための様々な研究が進められています。代表的な方法を説明します。
 
1)眼鏡による予防
 累進屈折力レンズ眼鏡(レンズ中心から下方に向かうにつれて連続的に度数を変化させたレンズで、通常老眼の方が使っています)によって近くを見るときの調節を軽減させ、網膜の中心部における焦点ボケを防ぐことで眼軸の延長を抑制する方法や、特殊な非球面レンズ眼鏡により周辺部網膜の焦点ボケを軽減することで眼軸の延長を抑制する方法について、国内外で多くの研究が行われました。学童期において累進屈折力レンズ眼鏡は、近視の進行を抑制(通常の眼鏡やコンタクトレンズ比で平均10~20%の抑制効果)することが判りましたが、抑制効果が小さいため、一般の診療では推奨されていません。非球面レンズ眼鏡については、わが国で多施設共同研究が行われましたが、効果を証明する結果は得られませんでした。
 
2)ソフトコンタクトレンズによる予防
 多焦点ソフトコンタクトレンズによって周辺部網膜の焦点ボケを軽減することで、眼軸の延長を抑え、近視の進行が抑制されることが複数の報告で示されていますが、未だ有効性を裏付ける十分な科学的証拠(エビデンス)は得られていません。
 
3)オルソケラトロジーによる予防
 カーブの弱いハードコンタクトレンズを睡眠時に装着して角膜の形状を変える方法で、眼軸の延長が抑制される(通常の眼鏡やコンタクトレンズ比で平均30~60%の抑制効果)ことが多くの研究により示されています。しかし、未だ有効性を裏付ける十分な科学的証拠は得られていません。また適切な処方や管理を怠ると重篤な合併症を起こすこともあります。ガイドラインを遵守して使用することとなっています。
 
4)低濃度アトロピン点眼による予防
 アトロピン点眼は、毛様体筋の調節を麻痺させて、瞳を大きく広げる効果がある目薬で、小児の斜視や弱視の診断や治療に頻繁に使われているものです。アトロピン点眼には近視進行を抑制する強力な効果があることが判っています。しかし1%アトロピン点眼(通常の濃度)は、副作用として強い眩しさや近くを見たときぼやけて見えるため、長期に使用することは困難でした。
 シンガポールの研究で、濃度を希釈した0.01%アトロピン点眼を1日1回2年間使用したところ、近視進行が抑制され、その効果は点眼を行わない場合に比べて平均50%の抑制、さらに点眼を中止した後も効果が持続することが示されました。低濃度アトロピン点眼は副作用が少なく使いやすい目薬ですが、人によって効果が異なります。現在、日本でも研究が進められており、その効果や使用方法が明確になれば、一般の診療でも用いられる可能性があります。
 
 以上のように、いくつかの予防的治療法が検討されています。その他にもいろいろな試みや動物実験での仮説が提案されていますが、いずれも臨床でのエビデンスはありません。いずれの方法でも、その効果と安全性については、今後さらに長期的かつ大規模な臨床研究を行って確認する必要があります。

【参考文献】
1. 所 敬、大野京子.近視:基礎と臨床.金原出版、2012年
2. 所 敬.屈折異常とその矯正.第6版.金原出版、2014年
3. 学童の近視予防アップデート.稗田 牧、木下 茂 編、あたらしい眼科33 (10)、2016年
4. こどもの近視進行予防.不二門 尚 編、眼科グラフィック 5 (2)、2016年

子どもの眼の病気について

子どもの眼の病気についての簡単な解説です。

目次

<執筆協力者一覧>
野村 耕治・柳沢 翠芳(兵庫こども病院)、森 隆史(福島医大)、木内 良明・戸田 良太郎・國原 依里子・横山 知子・近間 泰一郎・田口 万蔵(広島大)、根岸 貴志(順天堂大)、林 英之・高橋 理恵(福岡大)、佐藤 美保・澤田 麻友・彦谷 明子・原田 祐子・鈴木 寛子・飯森 宏仁・古森 美和(浜松医大)、近藤 寛之・松下 五佳(産業医大)、田中 三知子(岩手医大)、植木 智志(新潟大)、松下 賢治(大阪大)、日下 俊次(近畿大)、村木 早苗(滋賀医大)、林 思音(山形大)、東 範行・仁科 幸子・中山 百合・横井 匡(国立成育医療研究センター)、野田 英一郎(都立小児総合医療センター)、野々部 典枝(名古屋大)、鈴木 茂伸(国立がん研究センター)

*なお、弱視斜視学会領域の病気についての説明はこちらをクリックしていただければ
 読むことができます。
 弱視斜視学会ホームページ 一般のみなさまへ (http://www.jasa-web.jp/list/)

眼の病気を示唆する所見

■斜視
出生時や生後早期から片眼の強い視力障害があれば内斜視をきたし, また, ある程度成長した後の片眼の視力発達が高度に障害されている場合はその眼が外斜視になることがあります.
白内障, 網膜芽細胞腫, 視神経低形成, 視神経膠腫等の視神経に発生する腫瘍などで起こります.
子供さんの視線が合わない場合は, 眼科を受診してください.
■眼振
眼振とは眼球が左右, あるいは上下に揺れる症状を言います. 多くは原因不明の特発性といわれるものですが, 中には乳児期における両眼の高度視力不良により眼振が見られる事があります. 水平方向, 振り子様のゆっくりとした眼振が特徴で, 原因としては両眼性先天白内障, Leber先天黒内障, 白子症, 両眼性視神経低形成(septo-optic dysplasia)などがあります.
また, 中枢神経の腫瘍により眼振が生じていることがあります.
眼科を受診してください。
■嫌悪反応
嫌悪反応とは片眼の高度視力障害がある場合に, 良い方の眼を隠すと極端に嫌がる反応です. これにより, 低年齢で視力検査が出来ない場合でも, 視力不良を疑う一助になります. また, 本やおもちゃの見る距離がとても近い場合も視力の発達がうまくいっていない場合がありますので, 眼科を受診してください.
■角膜(黒目)が大きい(黒めがち)
角膜が大きい場合は, 緑内障を疑う一助になります. 眼圧が高いと小児の場合, 眼の組織は柔軟性がありますので, 眼球自体が大きくなり(眼軸の延長)や角膜径が拡大する(牛眼)場合があります.
一方, 巨大角膜という非進行性の遺伝性疾患もまれにみられます.
■角膜が小さい, 眼が小さい
角膜が小さい場合は小角膜, 強膜化角膜を疑います. 緑内障を合併することがあります.
また, 生まれつき眼球の形成が小さい, あるいは痕跡程度のものをそれぞれ小眼球, 先天的無眼球症といいます. 小眼球では網膜疾患を合併する事がありますので眼科検査が必要です. また, 緑内障を発症する事が多いため, 定期的な眼圧の検査も必要です. 無眼球症の場合, 眼の周囲の骨(眼窩骨)や瞼裂の発達が不良となるため, 生後早期からコンフォーマという器具の挿入を行い, 眼窩骨などの発達を促す治療が必要になります.
■角膜が白い
先天的に角膜が白く濁っている場合, あるいは角膜がむくんで(浮腫を起こして)いる場合が考えられます.
角膜が濁る疾患として, 強膜化角膜, ペータース奇形, リーガー奇形等の角膜の先天形成異常が考えられます。緑内障を合併することがあります。
角膜がむくみを起こす場合は緑内障により眼圧が上がっている場合, あるいはむくみをとる角膜の細胞の機能が正常に働いていないことが考えられます.
また, 細菌の菌体外毒素によるアレルギー反応で角膜が部分的に濁り, 充血をおこす場合もあります.
いずれにしても眼科の受診をしてください.
■白目の部分が青い
青色強膜という先天的なコラーゲンの異常によって生じているものがあります.全身疾患を合併している事がありますので眼科医, 小児科医にご相談ください.
■瞳が光る
網膜芽細胞腫という網膜から発生する腫瘍, あるいは先天白内障など瞳孔より後ろの病気が疑われます. 早急に眼科を受診してください.

難病および小児慢性特定疾病への医療費助成制度

■はじめに
治療が難しく患者・家族の身体・精神・経済的負担が大きい疾患に対し、医療費の一部を助成する制度があります。厚生労働省が定めた「難病」および「小児慢性特定疾病」に対する医療費助成制度です。
これらの二つの制度は似ていますが、対象となる疾患や年齢、自己負担上限額などに違いがあります。
■対象
対象疾患は厚生労働省が定めています。適宜追加されていますので、下記リンクより最新の情報を入手してください。
年齢については、小児慢性特定疾病においては18歳未満の児童等が対象です(ただし、18歳到達時点において本事業の対象になっており、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる場合には 、20歳未満の者も対象となります)。難病においては成人にも適用されます。
■医療費助成額
難病・小児慢性疾病ともに医療費の自己負担に上限額が設定されており、それ以上の自己負担は不要となります。上限額は所得により異なりますので、下記リンクでご確認ください。
小児慢性疾病には重症患者認定基準があり、眼の機能に著しい障害を有するもの(視力の良い方の眼の視力が0.03以下のもの又は視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの)については自己負担上限額がさらに下がります。難病にこの基準はありません。
■指定医・指定医療機関
難病・小児慢性疾病ともに、都道府県から指定を受けた指定医に限り医療費助成申請に必要な診断書を作成することができます。また、都道府県から指定を受けた指定医療機関が行う医療に限り、医療費助成が受けられます。申請の際には受診している医療機関・主治医が指定を受けているかご確認ください。
指定医・指定医療機関は都道府県のホームページに記載されています。
■申請の仕方
指定医療機関を受診し、対象疾患と診断されたら医療意見書を記載してもらいます。医療意見書及びその他の必要書類を居住している自治体へ提出します(指定市、中核市にお住まいの場合には各市・区の担当窓口へ、その他の地域の場合には、都道府県の担当窓口へ申請してください。必要書類は自治体により異なる場合がありますので、ご確認ください)提出書類が自治体で審査されたのちに認定されます。
■リンク
詳しい情報については下記リンクまたはお住いの都道府県ホームページをご覧ください。
 
公益財団法人 難病医学研究財団難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/
 
国立研究開発法人 小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/

小児慢性疾患

制作中です

身体障害者の認定基準

■はじめに
眼や脳の病気のため、生まれつき視力が低い場合や、後から視力が低下した場合(眼鏡やコンタクトレンズで矯正できない視力障害)、見える範囲が狭い場合(視野障害)には、認定基準にそって申請を行うことによって、小児でも、身体障害者として国から認定を受け、手帳を取得することができます。視力障害は1級から6級まで、視覚障害は2級から5級まで等級があり、1、2級は重度の障害です。
小児の場合、一般的な視力検査ができるようになるのは3歳以降、症状が固定するのは6歳以降、正確な視野検査ができるのは8歳以降と考えられますので、軽度の障害を申請するのは難しいのですが、乳幼児でも申請が可能なケースもあります。
視力検査が出来ない乳幼児のお子さんでも、両眼の無眼球・極小眼球、治療不能の眼底の病気(重度の網膜剥離、網膜変性など)他、重篤な視覚障害をきたす所見があり、瞳孔反応、視覚誘発電位検査(VEP)、網膜電図検査(ERG)、乳幼児視力測定法(テラーアキュイティカードやPL法)などの検査で視覚障害が重度であることを証明できれば、手帳を申請することができます。お子さんの視覚障害の程度や将来の見通しについて、手帳の申請が可能かどうか、ご遠慮なく眼科にお尋ねください。
なお、小児は病状の改善や悪化が起こる可能性があるため、1、3、5年後に再認定という条件付きで申請し、手帳交付を受けるのが一般的です。また年長になって、視力・視野に重複した障害があることが分かれば、等級が上がることがあります。
■申請の仕方
申請を受けるためには、お住まいの市区町村の福祉事務所もしくは身体障害者福祉担当課にある身体障害者診断書・意見書を入手し、「身体障害者福祉法第15条の指定」を受けている医師に診断書の作成を依頼します。かかりつけの眼科が指定を受けているかどうか、事前に確認してください。また、申請に必要な小児用の各種検査を行っているかどうか、あらかじめお問い合わせください。
■認定基準
平成30年度より、視覚障害の認定基準は改正されました。新しい認定基準は、以下の表の通りとなります。
級別視覚障害
1級視力の良い方の眼の視力が0.01以下のもの
2級1.視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの
2.視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
3.周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以上かつ両眼中心視野角度が28度以下のもの
4.両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの
3級1.視力の良い方の眼の視力が0.04以上0.07以下のもの(2級の2に該当するものを除く)
2.視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の目の視力が手動弁以下のもの
3.周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が56度以下のもの
4.両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
4級1.視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの(3級の2に該当するものを除く)
2.周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下のもの
3.両眼開放視認点数が70点以下のもの
5級1.良い方の眼の視力が0.2かつ他方の目の視力が0.02以下のもの
2.両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
3.両眼中心視野角度が56度以下のもの
4.両眼開放視認点数が70点を超えかつ100点以下のもの
5.両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
6級視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの

注:指数弁は目の前の指の数を数えられる程度の視力のことで、この認定上は視力0.01として扱います。手動弁は目の前の手の動きが分かる程度の視力のことで、光覚弁は目の前の光が分かる程度の視力のことを指します。手動弁以下とは、手動弁、光覚弁、失明のことを指します。

視力検査は矯正視力(眼鏡をかけて出る最大視力)を参考に行います。周辺視野角度および中心視野角度はゴールドマン視野計、両眼開放視認点数および中心視野視認点数は自動視野計を用いて計測します。
片眼がまったく見えない場合でも、もう片方の眼に視力障害や視野障害がなければ、身体障害者に認定されることはありません。
斜視(両眼の視線が一致していない)のため複視(物が二つに見える症状)があり、片目を遮閉(隠すこと)して生活しなければならないような場合は、片方の視力を0として計算し、6級の申請をすることが可能です。

■身体障害者の認定を受けたことで受けられるサービス
身体障害者の認定を受け、身体障害者手帳を取得すると、その等級に応じて様々な福祉サービスが受けられます。
小児が必要とする矯正眼鏡、遮光眼鏡、コンタクトレンズ、義眼、弱視眼鏡(かけめがね式・焦点調整式)、単眼鏡、白杖などの補装具の購入に際し補助が受けられるほか、日常生活に有用な拡大読書器、点字ディスプレイやタイプライター、点字図書などにも補助がおります。
その他、JR、私鉄旅客運賃、民営バス・フェリー・タクシー運賃・高速道路料金の割引を受けることが出来ます。航空旅客運賃に関しては、一般に3歳~12歳未満の身体障害者のお子さんの介護者および12歳以上の身体障害者のお子さん・介護者につき割引があります。さらに、保険診療のうち、自己負担分の医療費について補助がおります(所得制限があります)。
受けられるサービスはお住まいの市区町村によって異なるため、詳しい内容については市区町村の福祉事務所にお問い合わせ下さい。

遺伝相談

Q1. 遺伝相談とはなんですか?
遺伝相談は、遺伝性疾患の患者さんやそのご家族、あるいは遺伝について不安や悩みを抱えている方々を対象とし、相談に応じようとするものです。専門家が遺伝に関する情報を提供し、遺伝子検査を受けるべきか否か、どのような遺伝的な影響があるかなどについて詳しく説明し、個々の相談に応じます。
Q2. どんな方が遺伝相談の対象となりますか?
遺伝や遺伝性疾患に関する悩みや不安を抱えている方や問題に直面されている方、またはそのご家族など、どなたでも対象になります。
眼科では、遺伝性網膜疾患や、網膜芽細胞腫、色覚異常、先天性の白内障や緑内障、強度近視、斜視などでお悩みの患者さん、またはそのご家族の方が遺伝相談にお越しになることが多いです。お子様が対象の場合、先ずはご家族の方と遺伝相談を行います。
Q3. 遺伝相談はどこで受けられますか?
かかりつけの医療機関がある方は、まずそちらで相談されると良いでしょう。その上で、専門の施設に紹介を希望される方は病診連携から予約を取ることができます。 相談する場所がない場合や、それが難しい時には、実際の遺伝相談を行っている施設を、全国遺伝子医療部門連絡会議のホームページにある「遺伝子医療実施施設検索システム」http://www.idenshiiryoubumon.org/search/から調べることができます。 このホームページに掲載されていない施設でも、遺伝子診療部門や遺伝外来などの名称で対応していることがあります。
Q4. 遺伝相談ではどんなことを相談できるのですか?
たとえば、
・私の子ども、あるいは私の血族がもっている病気は遺伝性でしょうか?
・遺伝性とはどういうことですか?
・将来、私あるいは血縁者に、どんな遺伝的問題がおこるのでしょうか?
・もしおこるとすると、その異常や病気はどれくらいの割合でおこるのでしょうか?
・血族結婚をすると、どんな遺伝的影響があるのでしょうか?
など、様々な遺伝についての不安に対して、専門家が相談にのってくれます。
Q5. どんな検査が受けられるのですか?
遺伝相談では、まず初めに問診でご本人に加え、血縁者の病気についても詳しく伺います。その上で、実施可能で適切な遺伝子検査があり、その検査を行うことに意味がある場合、ご本人や該当される血縁者の方に検査の内容、趣旨などをご説明し、検査について同意を頂いた方のみ遺伝子検査を受けることができます。遺伝相談を受けた方全員が遺伝子検査を受けるわけではありません。
Q6. 遺伝子検査はどんなことをするのですか?
遺伝子検査は、患者さんやそのご家族の方から血液などの検体をご提供頂き、その検体を使って遺伝子のかたちが他の人とどのように違うかを調べ、さらに患者さんの症状との関係を調べます。
Q7. 遺伝子検査ではどんなことがわかりますか?
遺伝子検査によって原因が特定できれば、病気の確定診断となります。病気によっては、まれに、現在発症していなくても、将来の発症の可能性が推定できる場合もあります。また、病気の原因が確定することで、病気の経過や予後、治療法、療養に関する情報を受けることができる場合があり、そうした場合は、患者さんとご家族の方が前向きな気持ちになれることもあります。もちろん、確定診断後も療育について継続的に相談を受けることができます。遺伝子検査を受けても、病気の原因が特定できない場合もあります。遺伝子検査を受けるにあたって留意すべき点については、Q9を参照してください。
Q8. 遺伝子検査の結果が得られた場合、治療法はあるのですか?
欧米では一部の遺伝性網膜疾患の原因が特定できた患者さんに対して遺伝子治療が行われています。現在のところ、日本ではこの治療は行われていませんが、日本でも遺伝子治療の研究が進められています。
Q9. 遺伝子検査を受ける際に留意すべきことはなんですか?
遺伝子検査の大部分は、一生のあいだ変化しない個人の遺伝子情報を検査するものです。遺伝子の情報は、究極の個人情報であり、血縁者とも情報の一部が共有されています。このため、ひとりの方の病気の遺伝子検査の結果により、血縁者からも同じ病気がみつかることもありますし、現在発症していなくても、将来の発症の可能性が推定できる場合もあります。そのため、遺伝子検査を受ける前には、必ず専門家から遺伝子検査について遺伝相談を受けて頂きます。もしわからないことがあれば、専門家に質問して頂き、患者さんとご家族の方が遺伝子検査について十分に理解した上で検査を受けることが大切です。

日本遺伝カウンセリング学会 ホームページhttp://www.jsgc.jp/faq.htmlより一部引用

ロービジョンケアと就学相談

■はじめに
眼や脳の病気のため、眼鏡を掛けても視力が低いお子さんに対しては、乳幼児期から就学へ向けて、見え方がどのぐらいかを検査し、見えにくいことに対するケアを始めて、心身の発達を促し、就学の準備を早くから始めることが大切です。
一般に、良い方の眼の視力が眼鏡で矯正して0.1以上0.3未満は視覚特別支援学級(弱視学級)への通級、0.1未満は視覚特別支援学校(盲学校)への就学が推奨されますが、最近は地域の視覚特別支援学校との連携によって、普通学校に在籍するお子さんも増えています。視力だけではなく、視野が狭い、眩しさが強いなど、特別な見えにくさがあるか、お子さんに視覚以外の障害や発達の遅れがあるか、少人数での教育(特別支援学校)が適しているか、などを加味して、ご本人・ご家族のご希望にそって地域の教育委員会と相談を進めていくこととなります。
■就学相談
重症の未熟児網膜症や先天的な目の病気をもつお子さんは、0~2歳までの早期に医療機関から情報提供を受けて、専門機関で養育相談を始めるとよいでしょう。日本では各都道府県に1校以上視覚特別支援校(盲学校)が設置されています。
できるだけ視力を伸ばし、最大限に活用するために、高度の屈折異常(遠視・近視・乱視)があれば早くから眼鏡を常用させることが大事です。また就学へ向けて、眩しさを防止する遮光眼鏡、小さい文字や対象物を見るための拡大鏡や単眼鏡、拡大読書器など、適切な補助具を選んで使う練習を行うとよいでしょう。
各地域の視覚特別支援学校幼稚部では、0歳から就学までの養育相談・就学相談を受けており、巡回相談や訪問相談が行われることもあります。また、特別支援学校や特別支援学級では、学校公開や体験入学、就学相談を実施しており、パンフレット等を作成して、就学先の情報提供を行っています。遅くとも就学前年の夏までに、就学相談を始めてください。ロービジョンのお子さんが普通学校へ就学する際には、事前に見やすい環境を整えておくために、就学後も教材の選択や補助具の使用について継続した相談支援を受けられるように、地域の視覚特別支援学校と連携をとっておくことが特に大切です。
■参考となるサイト(リンク先)
えがおのいっぽ~見えない・見えにくい子どもたちとともに~(京都府健康福祉部家庭支援課家庭支援総合センター・京都ロービジョンネットワーク)
http://www.pref.kyoto.jp/ksc-soumu/news/tuyomi.html

眼鏡やCLの管理

制作中です

義眼の管理

制作中です